お食い初めの儀式で用いる歯固めの石には、赤ちゃんの健康を願う大切な意味が込められています。
このページでは、歯固めの石の意味や必要な数、使い方について解説。どこでどんな石が必要になるのかを把握し、お食い初めのための万全の準備を整えましょう。
歯固めの石とは
お食い初めの歯固めの石には、赤ちゃんの健康長寿を祈願する意味があります。

年齢の「齢(よわい)」という漢字に歯という文字が含まれていることからも、昔から歯の健康は長生きに繋がると考えられています。
お食い初めで使う歯固めの石には、「石のように丈夫な歯が生えるように」という意味や「堅いものでも噛み砕ける強い歯が生えるように」という意味がこめられています。
強くて丈夫な歯が生えること、それはすなわち「長生きできますように」という親の願いもこめられているわけですね。
歯固めの石はどこで拾う?入手場所と必要数
神社の境内などで、お食い初め用の歯固め石を拾ってきます。色や形にこだわる必要はなく、手頃なサイズのものを1〜2個ほどお借りしましょう。

歯固めの石は、近所の神社で拾ってくるのが一般的です。お食い初めが終われば返すので、お借りするというかたちですね。お参りしてから石を探しましょう。
お宮参りで神社に行ったときに境内の石を拾ってくる家庭も多いです。神社によっては、お宮参りのご祈祷を行なった際に授かる場合もあります。頂いた場合は使用後も家で保管しましょう。
神社以外でも、近くの川でキレイな石を拾ってきても問題ありません。当日まで歯固め石を用意し忘れていて取り急ぎ必要なら、形式を意識せず近所の公園や自分の家の庭のものでもいいでしょう。
歯固め石の色やかたちは、黒、白、赤をひとつずつ用意するのが正式と言われていますが、そこまでこだわるケースは少ないです。形や色によって縁起の良さに違いはないので、持ち帰りやすいサイズの石を拾いましょう。
石の個数は地方によって違いがありますが、1〜2個程度が基本です。
歯固めの石の使い方
お食い初めの儀式では、歯固めの石を直接口に当てるか、お箸を使う方法があります。

神社などで拾ってきた歯固めの石は、お食い初めの膳に並べる前に必ず綺麗に洗いましょう。洗剤で洗ったり、煮沸消毒するのが理想です。
使い方としては、お箸を歯固めの石にちょんちょんと当て、そのお箸を今度は赤ちゃんの口や歯茎にちょんちょんと当てます。歯固め石を直接赤ちゃんの口に触れさせる方法もありますが、石が小さい場合は誤飲の危険性もあるので避けましょう。
お箸を当てるにしても歯固め石を当てるにしても、「丈夫な歯が生えて長生きできますように」という願いを込めます。
歯固め石の使用後は、感謝の気持ちを込めて元々あった場所にお返しするようにしましょう。
歯固めの石の代わりになるもの
地域によっては、歯固めの石の代わりにタコやあわびなどを用います。梅干しや紅白もちをお食い初めのメニューに並べるものおすすめですよ。

タコ
関西地方など、地域によっては歯固め石ではなくタコを用いる風習が根付いてます。タコは「多幸」の語呂合わせから縁起が良いとされる食べ物。また、「固いタコでも噛み切れる丈夫な歯が生えますように」「タコの吸盤のようなキレイな歯並びになりますように」といった願いのほか、「”た”べることに、”こ”まらないように」といった意味も込められているそうです。
あわび
タコと同じく、「固いあわびも食べられる丈夫な歯が生えますように」という意味が込められています。ご祝儀袋の”のしあわび”としても使われているように、あわびも昔から縁起が良いとされている食べ物。岩手県などの地域では現在も歯固めの石の代用品として使われています。
栗
こちらも「固い栗が噛み砕ける歯が生えますように」という願いが込められています。
梅干し
梅干しには、「梅干しのようにシワシワになるまで長生きできますように」という意味があります。歯固めの石の代わりとして使わない場合も、お食い初めのメニューのひとつとして膳に並べる家庭も多いです。
紅白もち
言わずと知れた縁起物の紅白もち。こちらも歯固めの石の代用品として用いる他に、献立のひとつとして膳に並べても良いでしょう。
碁石
地域によっては碁石を代用するところも。誤飲の恐れがあるので直接口につけず、お箸を使いましょう。