お呼ばれの結婚式では、招待客は華やかなドレスや和装で花嫁を引き立てるのが役目です。ただし、結婚式の格式や時間帯によって、服装のマナーが変わるので注意が必要。肌の露出具合やドレスの色柄、靴やアクセサリーの選び方など、最低限のマナーを把握した上で当日の式を彩りましょう。
正礼装、準礼装、略礼装の違い
結婚式や披露宴の服装には正礼装、準礼装、略礼装があり、パーティの格式や自分の立場、時間帯によってどういった装いをするかが決まります。友人や知人としてお呼ばれされた結婚式の場合、ワンピースなどのドレスを着ます。

正礼装は、昼間の結婚式の場合はワンピースやアンサンブルのアフタヌーンドレス。夜はロング丈で肩の出たイブニングドレスを着ます。日本では昼夜の区別はそこまで厳格ではありませんが、午後6時以降に行われるものは夜の結婚式と考えるのが基本です。親族の結婚式に列席する場合や、格式の高い結婚式の場合は正礼装を選びましょう。
準礼装では、昼間にはセミアフタヌーンドレス、夜はカクテルドレスを着ます。招待状に「平服でお越しください」と書かれていた場合は、”よそいき”のお洒落なワンピースやスーツでも問題ないですが、アクセサリーで最低限の華やかさを演出する必要はあります。
正礼装や準礼装などはあまり聞き慣れない言葉かもしれませんが、マナー違反にあたるNGな服装パターンを理解して、それらを避けた着こなしをすれば問題ありません。
お呼ばれの結婚式では必ず白色以外のドレスを選ぶ
結婚式、披露宴では白色以外のドレスを選ぶのが招待客としてのマナー。白に近いベージュのような色も、写真うつりによって白色に見えてしまう場合があるので極力避けましょう。

ボレロなどは白系でもOK
招待客として出席する結婚式の服装マナーは、「主役である新郎新婦よりも目立たない」という考え方が大前提です。ウェディングドレスの色である白は、花嫁だけに許された色。ゲストが白色のドレスを着ることは、新郎新婦やそのご両親に対して失礼にあたります。
披露宴では着席している状態が基本なので、上半身の服の色は特に注意が必要です。写真で見返したときに光加減で白に見えてしまう薄いベージュやピンクなどの色も避けるのが無難でしょう。
ただし、コーディネートに白を一切取り入れてはいけないというわけではありません。ベースとなる色が白以外であれば、肩に羽織るショールやボレロなど、アクセントとして取り入れる白色は許容範囲です。

柄は無地や単色のものを選ぶのが基本。カジュアルなパーティの場合は柄を取り入れてもいいですが、殺生を連想させるマニマル柄は避けましょう。

結婚式の主役が新郎新婦であることは大前提ですが、気をつかうあまりに地味になりすぎても幸せな雰囲気が出ません。招待客は脇役として、必要最低限のマナーは守りつつ華やかな服装で結婚式を彩りましょう。
昼間の結婚式では露出を控えめに、ドレスの素材は光らないものを選ぶ
肌の露出を極力控えるのが昼間に行われる結婚式のマナー。袖が長めのドレスを選ぶか、ボレロなどで肩を隠しましょう。また、ドレスの素材は光沢のないものを選びます。

昼間の結婚式では肌の露出はNG。年配の方は、正礼装のドレスコードに則ってアフタヌーンドレスやジャケットなどで腕を全体的に隠している人が多いです。比較的若い層の女性は、二の腕ぐらいまでを隠したコーディネートをする人が多いのが実際のところです。
肩が出ているタイプのドレスを着る場合、必ず羽織もので肌を隠しましょう。ジャケットやボレロ、ショールを羽織るのが一般的です。
結婚式では殺生を連想させるような動物はNGですが、羽織りとして使うファー(毛皮)は厳禁というわけではありません。ただし、人によってはいい印象を持たれない場合があるのと、披露宴の食事の席で毛を散らかすわけにもいかないので、特にお昼の結婚式では避けた方が無難ではあります。
ドレスの着丈に関しては、膝下からくるぶしくらいまでの範囲のものがフォーマルですが、短めのものでも膝上5cmぐらいまでにとどめましょう。
また、ドレスの素材に関しては、光の強すぎないシルクやレースなどを選ぶのがいいです。
結婚式で身につけるアクセサリー
アクセサリーは、結婚式が行われる時間帯によって変わります。昼の結婚式で光らないパール(真珠)を、逆に夜は光る宝飾品を身につけます。

お昼の結婚式では光を反射する宝飾品はNG。パールのような光沢のないアクセサリーを身に着けましょう。真珠以外でも、アメジストやラピスラズリ、ムーンストーンのような光らない半貴石であればOKです。
夜の結婚式は、昼と違いきらびやかに。ゴールドや宝石のような光るアクセサリーで華やかさを演出しましょう。

結婚式の靴はつま先のあるものを履く
昼、夜問わず、結婚式のようなパーティではフォーマルなパンプスを履くのがいいでしょう。
靴にもマナーがあり、結婚式ではつま先の空いたものはNGです。たとえ装飾的であっても、サンダルやミュールを履くのは控えましょう。つま先があるとは言え、ブーツはNGです。
比較的格式を意識しないカジュアルウェディングの場合、サンダルやオープントゥパンプスが許容範囲と捉える考え方もあります。しかし、やはり結婚式というお祝いの場である以上、パンプスを履くのが礼儀ですね。
ヒールの有無に関しては特にルールはありませんが、脚をエレガントに見せるのであれば3cm程度の細身ヒールがおすすめです。
ストッキングは肌色を選ぶ
結婚式のようなフォーマルでは素足はNG。肌に近いベージュ系のストッキングを履きましょう。
たとえ夏場でも結婚式ではストッキングを履くのがマナー。極力肌色に近いナチュラルなストッキングを選びましょう。
カジュアルな結婚式であれば軽いラメ程度のデザインは許容範囲。ただし、網タイツや黒などのカラータイツは避けましょう。
スーツはマナー上はOK
結婚式や披露宴でのスーツ姿は、マナー違反というわけではありませんが、ビジネスウェアと間違えられないように注意を払う必要があります。
スーツはフォーマルウェアなので結婚式で着ても問題ないですが、上質で華やかな印象のものを選びましょう。リクルートスーツは式場のスタッフと間違えられてもおかしくないので避けるのが無難です。若い女性で結婚式にスーツを着る人は実際は少数派です。
スーツを着る場合は、コサージュやアクセサリーなどで華やかさを持たせることを特に意識しましょう。
バッグは小さめなものが吉
結婚式、披露宴では小ぶりのバッグを使うのがフォーマルです。入りきらないものはサブバッグに入れ、式場のクロークに預けておきましょう。

結婚式や披露宴の会場内で持ち歩く鞄は、必要最低限のものを入れたパーティバッグのみにしましょう。
素材はカーフスキンやサテンなどフォーマルシーンに適したものを。動物感が際立つクロコやヘビ革、カジュアルすぎるデザインのバッグはNGです。
大きい荷物は会場到着時にクロークに預けておきましょう。祝儀袋や化粧道具など、必要なものはあらかじめパーティバッグの方に移しておきます。
夜の披露宴は肩が出るドレスも可、ただし結婚式ではボレロやショールを羽織る
昼とうって変わって、夜はきらびやかな服装で華やかに。ロング丈で肩を出したカクテルドレスが正装となります。

昼は控えめにして夜は華やかにするのが結婚式の基本。胸元や背中の空いたイブニングドレスや、肩の出たカクテルドレスで着飾ってパーティを彩りましょう。ただし、教会での挙式中はやはりボレロなどで肌を隠す必要があります。
生地も夜の場合は、サテンやベルベット、レースやエレガントなウールなど、光沢を持った装飾性の高いものを選びます。
もちろん無理に肌を出す必要はなく、露出を抑えたセミイブニングドレスや、袖のあるディナードレスのような服装でもOKです。
お呼ばれ結婚式で和装を着る場合
招待客の場合、和装は訪問着を着るのが一般的です。未婚女性の場合は成人式で着るような華やかな振袖も可能ですが、花嫁の衣装と被らないよう注意が必要。
結婚式の和装ですが、黒留袖や色留袖のような高い格式のものは基本的に近親者や親族が着る装いです。親族でなくても、主賓の場合は色留袖を着ても不自然ではありません。
招待客の場合は、既婚・未婚問わず訪問着や色無地を着るのが一般的です。特に華やかな印象を与える訪問着は、招待客が着る和装としては最もポピュラーだと言えるでしょう。
未婚女性の場合は振袖を着ることも可能ですが、花嫁を引き立てることを思うと、やはり訪問着を選ぶのが無難ではあります。